研究者紹介

鈴木 元

 (SUZUKI, Hajime) / 中世文学
西川祐信『絵本 徒然草』より「ひとり燈のもとに」

メッセージ

 書くものは微視的な論が多いのですが、中世文化の総体的把握を目指しているつもりです。 移り気ゆえ研究対象は様々で、現在の関心は和歌・連歌は無論、軍記、謡曲、狂言に及びつつあります。 また、中世の学問体系や信仰(仏教・神道・陰陽道)への興味もつきません。 中世のあらゆる典籍が発想の糸口になりますが、 特に古辞書、往来物、抄物などの位置づけをこれから考えていきたいと予定しています。

最近の仕事

● 地域文化研究とその発信のためのホームページも御覧ください。(http://suzukiha-lab.com/)

○ 史料との突き合わせから、幽斎の『九州道の記』を読み直す、「「九州停戦令」をめぐる文事と政事」(日本文学協会『日本文学』第72巻第5号、2023年5月)

○ 上記『日本文学』掲載論文の補註編として、「幽斎『九州道の記』補註稿」(『西日本国語国文学』第10号、2023年8月)。

○ 科学研究費補助金による臼杵市加島家の資料調査報告として、『臼杵市教育委員会所蔵「加島家資料」目録』を発行しました。

○ 一句連歌の場に焦点を当て、句による呼びかけと、それに対する句による応酬、そしてそれに伴う身振り、ふるまいに演戯性を読み取る「かけあう ― 一句連歌の演技性」(『文彩』第19号、2023年3月)

○ 上記稿の続編。説法の場のふるまいと連歌、さらには俳諧連歌と歌舞伎の台詞の応酬におよびつつ、連歌の演戯性を考察する「かけあう ― 一句連歌の演戯性(承前)」(『文彩』第20号、2024年3月)

○ 藝能と連歌の接点を、「うたう」をキーワードとして紹介する三部作の最後、「うたう ― 早歌との交響」(『文彩』第18号、2022年3月)

これからの仕事

● 熊本県立図書館蔵の郷土資料古典籍を、学生とともに調査中です。目録化した書誌情報を、電子データで順次アップしようと計画しています。

● 科研費研究の延長上で、豊後臼杵の地誌資料を集成、紹介したいと考えています。

● 渋江松石『菊池風土記』に註釈をつける作業を続けています。ひとまず巻一・巻二・巻三を上記ホームページにて公開中。続いて、巻四註釈にとりかかっています。ただいま冒頭の一部のみアップしています。

● 幽斎の評伝に取組中です。道半ばというところでしょうか。

● 「藝能空間のなかの連歌」と題して、本をまとめたいと考えています。