自治体との共同研究・地域貢献事業

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自治体との共同研究・地域貢献事業

くまもと文学・歴史館との連携(平成30年度~)

湯前町中央公民館での文献資料調査

くまもと文学・歴史館収蔵の井上微笑資料の調査を、「複合演習」の一環として実施しました。また、湯前では史料調査も実施しました(平成31年度)。

発表風景
調査風景
資料撮影風景

奥球磨の地 湯前で役場勤めのかたわら作句活動を続けた井上微笑は、夏目漱石との書簡の往来もあった近代熊本屈指の俳人でした。近代の九州における文学活動の懐の深さと水準の高さを良く体現する人物といえましょう。

湯前町やくまもと文学・歴史館には未紹介の自筆資料が多数残されています。私たちは、所蔵機関のご協力のもと現地での撮影調査や解読作業を進めています。

菊池市からの依頼による和漢籍・古文書の整理(平成25年度~)

菊池市の依頼を受けて、歴史学研究室が中心となって平成25年度から継続して和漢籍・古文書の整理に取り組んでいます。和漢籍整理の成果は、『菊池市生涯学習センター蔵和漢籍分類目録』(菊池市教育委員会、2018.3)として刊行しました。現在は菊池地域の近世文書を整理しています。

水俣市立図書館からの依頼による淇水文庫の整理(平成26年度~)

作業風景

まずは明治以前の写本、版本の整理を終えました。

『菊池風土記』の跡をたずねて(平成25年度)

菊池市のご協力を得て、江戸時代に記された菊池の地誌『菊池風土記』に記された、お寺、神社、史跡をめぐることができました。成果の一部は、熊本文化研究叢書9『菊池風土記1』(熊本県立大学日本語日本文学研究室)として刊行しました。

大分県臼杵市からの依頼研究調査

調査風景
図書館風景

宇城市からの受託研究

宇城市三角町・国指定史跡小田良古墳の保存・整備に関する調査研究

平成19年度、古代文学研究室では、本学と包括協定を締結した宇城市からの受託研究の一環として、標記の調査研究を行いました。

小田良古墳は、宇城市三角町の国道57号線に沿って海岸側、ちょうど道の駅・宇土マリーナと三角西港との中間地点に位置し、有明海に面した眺望の素晴らしいところで、対岸には雲仙・島原が望めます。この古墳は、昭和54年(1989)に国の史跡に指定され、石障内壁に同心円文と楯などの文様が刻まれた装飾古墳として貴重なものですが、石室は寛政4年の雲仙噴火に伴う津波で破壊され、石障と石室基部のみが残存、史跡指定後は埋め戻された状態で、今日までひっそりと人目につかないままになっていました。

今回、宇城市文化課から依頼を受け、現地調査を行い検討した結果を「現在の古墳を中心とした範囲の公園化」「現在の古墳から海岸にまで視野を広げた整備」「小中学生を対象とした教育(ガイダンス)施設の整備」にまとめ、平成20年3月19日に地元公民館で説明会を行い、宇城市に提案しました。この3つの提案は、この順序で段階的に整備が行われることを想定しています。実現までにはまだ解決すべき問題を残していますが、この活動を通して私たちは古代人の死生観を垣間見、現代に紹介していくことの意義を学びました。